溶接作業を見てみよう。

airon works

1番この業界で注目されやすいのが溶接だと感じます。

鉄と鉄を溶かしてつなげる作業が溶接です。溶接は国家資格もあるしっかりとした資格になります。

鉄骨屋での溶接の種類はザックリ分けて2種類に分別されます。半自動溶接とアーク溶接になります。

アーク溶接

アーク溶接とは比較的装置の用意が簡単で現場溶接ではアーク溶接を使用することが多いですね。

この溶接は溶接棒と呼ばれる溶材を使用して母材に電気を流して副材を溶接で溶かしてくっつけます。この仕組みを少し解説していきたいと思います。

溶接棒には芯棒と呼ばれる鉄の棒があります。これがアーク溶接が「手棒」と呼ばれている所以だと思います。この芯棒の周りには薬の層がついていてこれを「被覆」と呼び、電気を流す事でアークが発生します。このアークの中では芯棒が溶けていき、それと同時に薬が溶けます。この薬はた大気中の酸素を遮断して溶着金属を保護する役割があります。では、保護されなければどうなるかということですが、酸素が引き起こす弊害は「酸化」になります。この言葉はみなさんも聞いたことがあると思います。ピーナッツなどをそのまま放置しておくと味が変わり風味が落ちます。このように酸化とは酸素が引き起こす劣化を意味します。溶接での酸化は金属が溶ける温度1000度以上の温度帯から急激に下がるその短時間で起こる現象になります。酸化した鉄は脆く品質の粗悪な溶接になります。強度も下がり見た目にも悪影響がでます。まずは酸化させないようにすることが大事になります。

アーク溶接のビードについては溶ける溶着金属の量は多くはありません。ですから溶接形状は凹み型形状になります。溶けた薬は、スラグと呼ばれる溶着金属を酸化から保護する被覆の残骸に変わります。このスラグを通称「かす」そのままですが、このかすを取る道具の名前も「かす取り」と呼ばれています。かす取りで取り除いた後に残るのが目的の溶接になります。

半自動溶接

半自動溶接は、溶接ワイヤーを溶材としてアーク溶接よりも高い電流値で溶接をしていきます。どのぐらい高いかといいますと、単純に倍は変わります。半自動溶接では半分自動で半分手動になります。この自動の意味するところは、溶材が自動で送り出されていく事により連続溶接ができる溶接方法になります。電流値が高いとどうなるか?電流、電圧の関係を少しイメージしてみましょう。

電流とはアンペアのことを指します。半自動溶接の電流イメージはワイヤー(溶材)を送り出すスピードだと僕は考えています。送り出すスピードが早いと溶接速度が早くなります。早く動かすと細いビードを作れます。シーンに合わせて細い太いを選択します。ではどのように選定する基準があるのでしょうか。その答えは設計図に記載されています。一般的には母材、副材の薄い板厚に0.8を掛けた値になります。ただしこの0.8という数字はあくまでも一般的な数字なのでしっかりと確認をしましょう。

電圧はボルトのことを指します。電流で押し出すワイヤーを溶かす強さだと考えます。電流に対して電圧が弱いと突っつくような調整になります。出来上がり形状を表現するならば、凸型のビートになります。逆に強すぎるとベタベタな凹み型、アーク溶接とまでは言いませんが、似たようなイメージにはなります。

僕は基本、溶接したい量(ワイヤーを送り出す量)を決めて、そのワイヤーを溶かすにはどのぐらいの電圧が必要か(好みによる)を調整します。

この調整には経験が必要になってきます。溶けていく感じと音も判断する基準になってきます。溶接をしている横を通るといい音がしていると上手に溶かしているのだろうと想像できます。が変な音がしていると大丈夫かな失敗してないかな、などと感じてしまします。

酸化させないことが大事と言いましたが、半自動溶接ではアーク溶接のような「被覆」はワイヤーにはついていません。ではどうしているのかといいますと、炭酸ガスを噴射して酸化を防ぐシールドを作ります。これを「シールドガス」と呼び、これがないととんでもない溶接、欠陥だらけのダメダメな溶接になります。

ガス切れなどの交換時期が失敗の原因にもなりますので、油断していると痛い目に遭う確率が激上がりになります。いつもと感じが違うなど些細な変化にも気を配らないといけません。

キレイに溶接出来るようになるまでは練習が必要になります。回数を重ね経験をすることでしか身につかないことはたくさんあります。溶接は文で表現が難しい分野ではあります。こんな感じみたいなことが多いですね。擬音を使った表現が多い気がします。ただそんな感じを言葉にして話ができたら1人前と1人前の会話で溶接が伝える事ができます。不思議なものなんですけどね。

今回はこれにて失礼します。次回お会いいたしましょう。

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