鉄骨の梁加工を見てみよう。

自社の施工図を読み取る力は何を作るにしても必要になってきます。出来上がる製品への地図?案内図みたいなものです。

書く人の好みも出てきますが、回り道、近道、遠回りなどなどたくさんのアプローチがあるはずですが、行き着くところは設計図に書いてある場所にたどり着けなければ、どこかが間違っていることになります。

梁加工の工程順は多くはありません。自社工場の場合は1次加工済み(切断、孔あけ)で納品されてきます。入ってきた材料に対してサイズと寸法を確認します。その材料はどこで使用するものかを図面のどこの誰だかを探します。見つけたらガセットプレートと呼ばれている梁を接続するための板を取り付けます。板の位置は製品によって変わりますから1つ1つ確認します。

ここで板を取り付ける位置を材料に書き込みます。この作業を罫書(けがき)と呼ばれています。罫書くための道具を紹介します。

  • スケール(コンペックス)  簡単に言えばメジャー。長さを測定するための道具。長さの種類があり状況に見合った長さを選定する。
  • 差し金  90度直角に曲がっている物差し直線、90度の線を簡単に書く事ができます。
  • 石筆  白い柔らかい石、簡単に研ぐ事ができ、細いきれいな線が書きやすい。形はいろいろとあり丸い鉛筆のような形や、四角い形で厚いものと、薄いものなどがあります。

図面からピース位置、寸法、完成形などを読み取り加工開始になります。

まず罫書き作業になります。スケールを使ってガセットプレート位置を記入します。取り付く相手の形状に合わせて書き込んでいきます。どのような形状で取り合いをするのかは物件毎に異なりますので接続情報も確認しないといけません。接続情報はジョイントリストがまとめてある図面が存在します。この図面に載っていない物があれば必ず確認しないといけません。ジョイント方法を間違えると後から勘違いしていました。では済まなくなります。ここはだいじなところですね。

寸法の取り方については、最後は反対の寸法も確認していくことで間違いを少なくすることが出来ると思います。例えば4000㎜(鉄骨屋では98%数字は㎜で表します。)の全長の中に2000㎜の線を書くとすれば、残りは2000㎜になりますよね。製品によって変わりますが全ての数字を足していきますと全長になる。当たり前の話ですがこれをやるかやらないかで大きな差がでてきます。

位置を記入したら、ガセットをつけていきます。取り合いをするガセットは孔の空いた板になります。これも場所、用途(相手による)に合わせて選定をします。片側しか取り合いがない場合でも反対側にはリブプレートと呼ばれる補強板をとりつけます。この作業を繰り返して製品の形になっていきます。

取り付けをするには、溶接を使って組み立て溶接を行います。必要な分だけを、形を保っていられるように必要な場所に配置していきます。この時決まり事があります。溶接で付けるには溶材と呼ばれる鉄が必要になります。この溶材が溶けてくっついた金属を溶着金属と呼びます。更にこの溶着金属をビートと呼びます。

このビートは短いと割れる確率が高くなりやすい結果がでています。(実験結果で示されています。)なのでビートが短くてはいけない。長さにすると30~40㎜以上確保しましょう。これ以下の長さのものをショートビートと呼ばれる欠陥扱いになってしまいます。

ショートビートに気をつけながら作業をしていくことも大事なところですね。

この後溶接の作業につながっていきます。

今回はこれにて失礼いたします。 また次回お会いいたしましょう。

タイトルとURLをコピーしました