図面の作図と言っても0を1にして描いていく。訳ではないですね。
設計図と呼ばれる設計事務所が描いた図面を元に、自分たちの会社に合わせて書いていくものと思ってください。最初から考えて書くことはあまりありません。建物になるとお役所の検査を受けて合格の判子をもらわなくては建てる事はできません。確認申請と呼ばれるものです。
確認申請を受けていないで勝手に建てていれば違反建築となり、最悪取り壊しになるのでしょう。
設計図を元に書くと言いましたが、マネをして書くのならその設計図で進めていけそうじゃない?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが。自社用の図面に書き直すことは自分たちが作りやすくなるように(見やすくなるように)書き直すことになります。
見やすくなるとどうなるのかというと、接続部分などがきちんと収まるかを検討していくことになります。
鉄骨を製作するとはどういうことなのか簡単なイメージをお伝えします。大きなジグソーパズルの部品を作っていくことに似ていますね。部品のことを鉄骨部材でも1ピースで呼んでいます。
部品一つ一つをどのように接続するのか、設計図に記載されている情報を基本的には守らなければいけないのですが、どうしても接続できない、などいろいろと検討(質疑応答)することになります。
自社図面をその物件ごとにきちんと確認しながら作図をしていき、物件を管理する会社さんに承認、承諾、をしてもらい制作に移っていくことになります。
作図の作業はパソコンでCAD(Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の略語です)を使用します。一昔前までは、床書き現寸と言われる実物大の図面を床にかいていていました。そこから型取りをして材料発注に流れていきます。簡単な箇所は電卓を使用して材料拾いをしていきます。現在ではCADを使用して現寸を書き、データをまとめて発注をする流れになっています。
CADを使うメリットとデメリットついて。
メリット
1,書くスペースに限界がない。
2,簡単に綺麗な線が書ける。
3,パソコンのデータのやり取りが簡単にできる。
デメリット
1,画面上のサイズ感がわかりにくい。
2,パソコンがないとできない。
メリットについてはまだまだたくさんの要素があるかと思いますが、これらについて少し解説をしたいかと思います。
1,書くスペースに限界がない。については、床書き現寸では床に図面を実物大で書いていくのでキャンバスになる床に限界があることです。CADではキャンバスになるスペースに限度がないということになります。
2,簡単に綺麗な線が書ける。については、床書き現寸では、墨つぼ墨差しと言われる道具が必要になります。道具ですから使い方が当然あります。そして使い方、使う人によって個体差が出ます。CADではどんな人が使っても同じ線が書けるところがすごいところです。
3,パソコンのデータのやり取りが簡単にできる。については、床書き現寸ではその場所に書いてありますからそこに行かないと見ることすら出来ません。CADではメールなどを使用して相手にデータで渡すことが可能になります。今現代の人にとっては当たり前のことになってきていますが、一昔前までは当たり前にまでは来ていませんでした。
デメリットはまとめて行きたいと思います。
サイズ感がないというのは、拡大縮小が自在なので細かいところまでよく見えます。なんだかいいところに聞こえてきそうですが、紙一重といったところでしょうか。小さいものが大きく見えるので勘違いしやすくなります。床書きされる方からはよく出る話です。あるあるってやつですね。
パソコンがないと出来ないのはこれまた当たり前なのですが、ある程度扱えないと出来ないので、高齢化が進む業界(自己見解)なので、パソコンを触る前から「無理」と思い込んでいる方が多い気がします。チャレンジしない方には使えない道具であるところでしょうか。パソコンがハードルを押し上げている形にはなっているかなぁ、と思っています。
今回は作図について簡単に書いてみました。まだまだ細かく書いていく事ができるかなと思います。今回の他にも追加要素はあるあるだと思います。
今回はこれにて失礼します。次回またお会いいたしましょう。