鉄骨屋でサイコロと呼べば柱の部品になります。
部品の構成部材の中でも階と階を繋げる部分であり、仕口のとりつく大事な部分になることから「コア」と呼ばれる事もあります。
自社では大抵コアは仕口が付いた後の柱を繋ぎ込む前の状態を呼ぶことが多いです。
自社ではサイコロをタイコと呼びます。形が和太鼓に似ていることからだと推測されます。
ここではサイコロの組み立てをしていきたいと思います。
構成材料
コラム(正式名称はベベル角度が取れたもので、一般呼称は開先加工されたもの 材質=BCR295)
裏当て(ワンピース=1本で曲げ加工されたもの 材質=490B)
ダイアフラム(材質=SN490C材)
以上3点から構成されます。
サイコロの組み立て順序
コラムの内側にはシームと呼ばれる溶接継ぎ目があります。
このシームがあると裏当ては入りません。なので削り取る必要があります。
サンダー(ディスクグラインダー)を使用して研削していきます。
研削終了後は裏当てを取り付けます。
裏当てはフラットバー(FB)9×25を曲げ加工をしてある物を購入します。
使用サイズに合わせて枚数を用意しておきます。
これをサイコロの組み立て専用台にセットして取り付けしていきます。
ルート間隔と呼ばれる溶接用の隙間を取れるように裏あてを突き出します。
中から見た裏当ての組み立て状況になります。予定寸法になるように調整してコラムと裏当てを溶接で固定していきます。
これを両端部取り付けます。端部にはそれぞれダイヤフラムと呼ばれる鉄板を固定していきます。
基本的に外周25㎜ずつ出っ張るように取り付けを行います。極たまに例外もあります。設計図書または自社の施工図をよくご確認下さい。
内側から溶接出来るものは中から取り付けを行います。片側のダイアフラムは中から溶接できますよね。なので本溶接部分に余計なものを入れないようにしましょう。少しでもNGを出さないようにする気配りも大事になります。
最後のダイアフラムは外から溶接になります。
2枚目のダイアフラムをセットして予定寸法になっているかを確認します。この時に予定とずれていましたら、調整をかけます。寸法が大きくなった時はサンダー等でマイナス方向への調整をかけます。小さい時は、大きくなるように挟んだり多少の隙間を空けて(本来ならば取り付け直しになります)最終寸法を確認します。良ければ固定します。
全ての確認が終了しましたら、1個完成になります。
これを必要個数繰り返して1物件分をこなして行きます。
専用の台を使用しての作業になりますが、大体の失敗は台を過信していて確認が疎かになるために起こる間違いをいくつか紹介します。
スパッタが挟まっている為に台に密着出来ずに曲っている。
思い込みによりダイアフラムの板厚を間違えて使用している。
これらは単純に確認をしていないことによる人為的ミス、いわゆるヒューマンエラー。指示書等を読み違えて思い込みだけで作業していることで起きやすい間違いです。くだらないミスでも直すのは大変です。鉄はハサミと糊で加工は出来ません。酸素やサンダー等を使用して成型して溶接で鉄と鉄をくっつけて形にする。高温の作業をこなしていくことで形になる仕事になります。
これが鍛冶屋と言われる所以なのだと思います。
今回も最後までお付き合い頂きまして有難うございます。
次回またお会いいたしましょう。